日本人の感受性

昨年11月、ケーキ屋さんの「いちごフェア」の広告を見かけた。
いちごは春の果物ではなく、もはやハウス栽培で年中安定的に供給されるものだという。
最盛期はクリスマスケーキの12月というから驚きだ。
いちごに限らず、ほとんどの食べ物がハウス栽培等で年中味わえる今の日本。

でもやはり、四季の移ろいを敏感に感じとって楽しむのが日本人の日本人たる所以ではないだろうか。

回転しない寿司屋のカウンターは、移りゆく季節を感じる場所だ。
今日お邪魔した寿司屋で若たけのこをいただいた。
たけのこのシーズンは5月頃。
まだ雪のちらつくこの時期に食べるからこそ、まだ来ぬ春を愛おしく、待ち遠しく思うもの。

なんでも「若○○」や「早○○」や「初○○」を重宝がる
季節の移ろいを大切に思い、平家物語にもあるように「無常」を思う日本人ならではのこと。

空の高さ、雲の形、風の匂い、葉の色、虫の声、
自然の端々に季節を感じ「あぁ、もう春なのですね」などと言える感性
いくら世界が近く、狭くなっても

その四季の変化に気付く、繊細な感性はなくしてはいけないな、、、と、
たけのこを食べながら思う立春でした。