日本酒なう

「○○なう。」Twitterで流行っている言葉で、現況を伝える際に語尾につけてて使うのが一番ポピュラーらしい。「上海なう」「白酒なう」「SanRenXinなう」などなど色々なシチュエーションで使えるそうだ。流行っているものに飛びつくのは少し恥ずかしいが、「なう」デビューをしてみる。


「日本酒なう」・・・日本酒の現況?日本酒のことを書いている自分?いろいろ解釈できるこの言葉だが、以下知っておくとより日本酒を楽しく飲めるであろう日本酒のうんちくをTwitterっぽく極力短めに分かりやすくまとめてみた。(注・例えば造り方等は短くまとめられるようなものではなく大変複雑なものかと思うが、極力分かりやすくを目指して書いた。もしお酒造りに携わられている方が読んでいるのであれば恐縮です)

『日本酒の特徴』
米や水といった豊かな自然の恵みと日本人の知恵の結晶。約5℃から約60℃まで幅広い飲用温度帯があり、水源はほとんどが伏流水や地下水などの井戸水。日本酒のメーカーは北海道から沖縄まで、日本全国で2,000 社ほどもあり、それぞれにいろいろな種類の日本酒が揃っている。

『日本酒の造り方』(一般的な日本酒)
玄米の周りを削り白米にし洗って蒸して冷ます。白米で麹を作り、麹と蒸米、水、酵母菌を入れ酒の元を作り乳酸を加える。酒母に麹、蒸米、水を数回加えもろみを造る。温度管理に注意し20日間ほど放置。発酵状態を見てもろみを搾り酒と酒粕に分ける。搾った酒を60度のお湯で低温殺菌。貯蔵タンクに入れ熟成させ、低温殺菌をしビンに詰める。

『知っておくと便利な日本酒用語三つ』
一、精米歩合:白米のその玄米に対する重量の割合。精米歩合35%というときには、玄米の表層部を65%削り取ることをいう。一般家庭で食べている米は精米歩合92%程度の白米 二、米麹:白米に麹菌を繁殖させたもので、白米のでんぷんを糖化させることができる。三、醸造用アルコール:でんぷん質物や含糖質物から醸造されたアルコール。

『日本酒の歴史』
日本酒の歴史は稲作とともに始まった弥生時代(紀元前10世紀中頃から3世紀中頃まで)と考えられている。ただ大衆的に飲まれているものでなく、農耕祭礼、豊作予祝など収穫感謝の祭りの時だけ酒を造り、神にそなえられるものだった。室町時代(1336年〜1573年)から政府が積極的に酒造業を支援しはじめたと言われている。

『お酒の分類三つ』
一、醸造酒→(例)日本酒・ビール・ワイン・紹興酒 二、蒸留酒(醸造酒を蒸留して作られた酒。スピリッツとも呼ばれる)→(例)焼酎・泡盛・ウイスキー・ブランデー・ウォッカ・ジン・ラム・白酒・テキーラ 三、混成酒→ベルモット・リキュール・みりん・合成清酒

『日本酒の分類一〜大吟醸酒、純米大吟醸、吟醸酒、純米吟醸〜』
精米歩合60%以下の白米、米麹及び水、又はこれらと醸造用アルコールを原料とし、吟味して製造させたものが吟醸酒。吟醸酒のうち、精米歩合50%以下の白米を使用し、香味及び色沢が特に良好なものが大吟醸。純米吟醸(純米大吟醸)は醸造アルコールを使用しない吟醸酒(大吟醸酒)のこと。

『日本酒の分類二〜純米酒、本醸造酒』
純米酒とは精米歩合70%以下の白米、米麹及び水のみを原料として造られ、醸造アルコールや糖類などを使用しない米だけの日本酒。使用されている米の旨みが特徴。本醸造酒とは、精米歩合70%以下の白米、米麹、醸造アルコール及び水を原料として造られた日本酒。昔ながらの造りで、燗酒としても美味しく飲めるお酒。

『日本酒の分類三〜普通酒、その他の酒』
普通酒とは精米歩合が上記一、二にあてはまらないものや、醸造アルコールを白米重量の10%以上(本醸造は10%以下)使用しているもの。その他生酒、生貯蔵酒、生詰酒、生一本、原酒、おり酒、にごり酒、高濃度酒、長期貯蔵酒、樽酒、ソフト酒、発泡酒、高酸味酒、といった日本酒がある。

『中国(上海)での日本酒の受け入られ方』(僕の所感)
清酒、日本酒、両方の愛称で呼ばれている。日本酒と中国人が懐く日本商品に対するイメージが一致する(高い品質、安全性、スタイリッシュなど)らしいので日本酒は中国で注目できる日本商品の一つかもしれない(と信じたい)。ただ、日本でもそうだが、中国人の日本酒購買者は更に相当な日本酒通でない限り、大吟醸、吟醸、純米酒と分けて飲む人は少なく、大方、日本酒という大きなくくりで「一番高いから」とか「外見が綺麗」とか「有名だから」とか「日本産」だからといった表面的な評価で日本酒を選んでいるのが現状。多くの“通”が生まれることが今後望まれる。

『終わりに』
「萬古清風(ばんこせいふう)」(古来伝承の精神を重んじつつも、新風の清々しい風のように清らかな心を持ち永遠に持続するという意味。)という言葉をよく意識し、古いからと言い捨てるのではなく、守るのではなく、新たな事柄を含んでいき日々進歩していきたいと思う。そのために、新しいものと伝統あるものを掛け合わせて物事を考えることは大切だ。そういう意味で、『日本酒なう』という伝統ある日本酒と今をときめく流行語を掛け合せたお題はナイスお題だと思った。thxちんむー。


以上『日本酒なう』
でした。


続きましてぞーたん、3月末になり日本各地で開催される(中国の卒業シーズンは6月)
『卒業式』でよろしく。