こだわり~20代の「こだわり」の使い方~

こだわりとは、『特定の対象に強く愛着し、離れることが出来ない状態』。「こだわり」、かっこいい言葉である一方、場合よってはとても退屈な言葉にもなりうる。日常生活でどういう「こだわり」にかっこいいと思うか、或は「それで?」と思うか。今日はそれを書いていく。


そして、「いつ、どのタイミングでどの段階でこだわりに(絞りに)かかるか考えることが大切である。」と締めくくりたい。


以下例文を見て欲しい。

例文「僕は中国で働くことにこだわっているんだよね。」


中国ではたまに耳にする言葉だ。(中国っていう部分を業種とか、家業とか、地元とか置き換えることもできる)。さて、このフレーズに出てくる「こだわり」はどういう時「かっこいい」と感じるだろうか、はたまた「退屈」だろうか?この人はなぜ「こだわり」という言葉を使ったのかと、背景を理解し判断するべきだろう。


以下三つの背景の予想を立ててみる。


1.日本や他の国に行っても働き口が無く中国にしか居場所がないんだよね。
2.中国語が僕の強みだから、中国で働くことは僕にとっては有利なんだよね。
3.自分の能力としては日本でもアメリカでも働けるよ。しかし中国が今おもしろいから中国なんだよね。


「こだわり」という言葉に関して僕の価値観だと、3の背景を感じられた時、かっこいいね!と思う。2はまあ普通、1は退屈と思ってしまう。


約2年前、東京で多くの就職活動生からメンターとして慕られているとある青年社長にお会いした際その方がこんなことを話されていた。「仕事を選ぶとき、やりたいこと、やるべきこと、できること、の三つを考え、その三つの重なるところを仕事するといいのではないだろうか。」


ふむふむこの仕事を選ぶ際のフレームワークを使い「こだわり」という言葉の使われ方の背景三つを理解してみると、


1.日本や他の国に行っても働き口が無く中国にしか居場所がないんだよね。
⇒この背景がある中の「こだわり」は、やりたいこと、やるべきこと、できること三つのどれにも入らない。仕方無しで働いているのに「こだわり」という言葉で蓋をしている。この場合「こだわり」という言葉は使わない方がいいかもしれない。
2.中国語が僕の強みだから、中国で働くことは僕にとっては有利なんだよね。
⇒この背景がある中での「こだわり」は、できることであることは間違いないが、やるべきことかもしれない、やりたいことはまだあるかもしれない。というやるべきこと、やりたいことがクリアーじゃないが出た言葉。この場合も「こだわり」とは言えないかもしれない。
3.自分の能力としては日本でもアメリカでも働けるよ。しかし中国が今おもしろいから中国なんだよね。
⇒この「こだわり」は、やりたいこと、やるべきこと、できることの三つを考えてでてきた言葉である。まさに「こだわり」である。


つまり僕が「こだわり」という言葉に対してかっこいい⇔退屈と感じる判断基準は、自分のやりたいことをしているか(やりたいことを自分の行動に取り入れている)、何かに貢献しようと心がけて動いているか(やるべきことを考え動く)、自分の人生に妥協をしていないか(できることを増やしている)、というふうに、やりたいこと、やるべきこと、できることを徹底的に考えた後言葉にしているかというところだ。「こだわり」という言葉を使うシーン以外でもやりたいこと、やるべきこと、できることすべてを考えを実行し自分の思うように生きている人には惹かれる。


ではまとめに入る。この文章で一番言いたい「いつ、どのタイミングでどの段階でこだわりに(絞りに)かかるか考えることが大切である。」について。


「こだわり」という言葉が使える時は「絞りにかかる」ことができるときであるべきだ。上の1、2の状態での「こだわり」は「こだわり」という言葉で自分の可能性を狭めてしまう言葉になりかねない。3の状態でこだわりにかけると、選択肢がある中から自分の強みを最大限伸ばせる環境を選びながら生きることができる。所謂絞りと集中だ。自分に制限があるため「こだわり」という言葉から離れられず縛られるのか、「こだわり」という言葉から離れないことを自ら選択し自分らしく生きるのか。同じ言葉でも大きな違いがある。


~20代が見た中国~というテーマで書いているが、「僕は中国で働くことにこだわっているんだよね。」という例文、くれぐれも「おいおい、その「こだわり」は僭越(せんえつ)だぞ。」と周りから感じられないような「こだわり」を語りたい。


以上今回は自分への戒めの意も込めた文章になった。


続きましてぞーたんへ。
『旅することについて(僕の語ること)』
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